プーシキン美術館展 [絵画]
どうしても気になって気になって、先週日曜(3/19)に行ってまいりました。
http://www.asahi.com/pushkin/
結論から言うとすごいよかった。です。
イベント的には断然マティスの「金魚」が宣伝効果高いみたいです。
(実際よかったけどね)
でも
個人的にはもっと他に
言葉が出ないくらい撃ちのめされた絵がいくつかありました。
特筆すべきはこちら
ポール・セザンヌ 『池にかかる橋』
引き込まれて動けなかった一枚。
林立する樹木の中に密やかにたたずむ一本の橋。
その下の水面に映りこむ橋の影。
鮮やかな緑が一面に描かれており、
橋自体は言われなければ気づかないほどの存在。
静かな風景。俗世を離れた世界観を描いている?
抽象画に近いと解説されていたけれど
やはりこれは風景画としての力が強いように思う。
フィンセント・ファン・ゴッホ 『刑務所の中庭』
http://www.asahi.com/pushkin/gallery/image/g007.jpg
この絵が描かれた時には既に彼は気が狂い始めていた。
その孤独感、救いの無い不安定な精神状態がリアルに映し出されていて
異様なまでの迫力が感じられる。
ウジェーヌ・カリエール 『母の接吻』
ただただ美しい。
静かな時間と空間を描き出す、優美な曲線。
溢れる愛情をその絵の周辺一帯に充満させていて
見ている方が苦しくなってしまった。
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック 『マルセル・ランデ嬢、立ち姿』
この人の描く線画(特に肖像)は、実に相手の特徴を捉えて内面性までも抉り出す。
洗練された無駄の無い描写とシニカルな表現は本当に魅力的。
私の感性のツボにぴったりとはまるという意味では今回のヒットに相当。
他も、目を奪われる絵がたくさん。久々に大満足の展覧会。
というわけで、
珍しく、画集も購入。オリジナルグッズも買い込んでしまいました。
お蔭であっというまに金欠・・・ (給料日まで持つのか?!)
いいの。
心にも栄養補給が必要。なのです。
そのための投資は、惜しまないわよ。
あ、日本でプーシキン展がやっていると聞いて、行ってみたいなと思ってたんです。私もフランス時代によく美術館に行きましたが、画集とか買っておけば良かったと後悔。バングラでは心の栄養補給が本当に必要なので。
by julius (2006-03-25 15:29)
>たくさん
nice! & コメントありがとうございますー♪
プーシキン、ほんと行って良かったですよ。
画集は
『所詮、本物のインパクトは実際見た瞬間にしか伝わらないから』
と思って買わない事が多かったんですけど
感動をよみがえらせてくれるという側面から見ても
記録として持っているのは悪くないと思い始めています。
実際、バングラの生活はしんどいのでしょうか・・・
想像するに、文化的な欲求は満たせなさそうですよねー。
そういう意味では浜松もあまり変わりないような気はします。
(レベルが違う!と怒られそうですが ^^;)
by ひろころ (2006-03-26 03:26)
いいですねー、群馬では「美術館は必要か?不必要か?」
って、アンケートされるようなレベルです・・・( -.-) =з
音楽は群響のお陰でかろうじて・・・ですが、
どうもObが・・・と思っていたら、内部事情に詳しい人の話では、
入団の最終決定権がパートにあるらしく、
主席の人が自分より上手い人は落とすらしい・・・w(☆o◎)w
大丈夫か、群馬?って感じです。
先日の演奏会はブラームスはよかった・・・私途中で寝たりもしたけど。
春祭は・・・ですね。フルートは良かったですよ、
レッスンつかせていただけて良かったー、って思ってますよ。
全体としてはね・・・緊張感があまり・・・
後半飽きちゃいました(6 ̄  ̄)
by (2006-03-29 10:19)
>浦島太郎さん
nixe & コメントありがとうございます~
郡響事情,すごいですね.プロオケ??ですよね???
何とも言いがたいですなあ.
主席はオーディションしちゃいけませんってか・・・
春祭,最後まで飽きさせずに聞かせるのはすごく難しいのかもしれませんね.長いし.
あ,ちなみに浜松も文化は中途半端ですよー.まだまだ全然.
by ひろころ (2006-03-31 12:53)
このブログみて、会期終了すれすれに見に行ってきましたよ!
池にかかる橋、すごかった~~~
一瞬でだまし絵読み解いたときみたいに、「あ、水面に映ってる」ってわからせるなんて。。。セザンヌと言えばあの山の絵のイメージしかなかったので、そんだけじゃないよ、と力量見せ付けられて打ちのめされた気分でした。
by りく (2006-04-11 23:22)
>りくさん
おっ、嬉しい反応ですねー!触発できたならよかったです。
セザンヌ、よかったでしょう。
私も彼の視線の鋭さにあらためて気づかされたのでした。
by ひろころ (2006-04-16 12:04)