記憶 ―夢と現実の曖昧な境界― [本・ドラマ・映画]
最近にしては珍しく長編を読みました。
「オキーフの恋人 オズワルドの追憶(上)(下)」 辻仁成 著
途中までは比較的単純明快ですが
中盤からいきなり世界をひっくり返されて訳が分からなくなりました。
「何なんだ?一体何が起こっている?!」
まさしく片方の主人公の心境がそのまま自分の中に生じてしまった。
二つの物語が同時に進行していくので別の物語だと思っていると
最後にはしっぺ返しを食らいます。
記憶って何なんだろう、と考えさせられる本です。
自分の信じている物が実は誰かに植え付けられたものだったとしたら。
覚えている過去の事が実は滅茶苦茶リアリティの高い夢の中の物語だったとしたら。
混乱しそうだ。
自分のことを信じられなくなりそう。
たまに似たようなことは経験するし。
記憶なんて当てにならないのかもしれないけど
現実には記憶に寄り掛かって生きてるような所もある。
何を信じていいのか分からなくなりそうだけど
本当に大事なのは「幸せと感じていたこと」、ただそれだけなのかも、とも思う。
ホントの本物は「自分の気持ち」なんじゃないかな。
どっちの世界が本当か分からなくなってしまったとしても。
最後には自分の感じたことだけは信じていたい。
自分が穏やかに生きていくためにはそれしかないような気がするな。
とっても抽象的なお話になっちゃいましてごめんなさい。
小説としてはなかなか面白いので
興味のある方は一度お手に取ってみてはいかがでしょう。
私もつい最近,高校時代の友人とのドライブ中
偶然母校の前を通って思い出話になりました。
一人では何度も通って,そのたびいくつかのことは思い出していたけど
友人と一緒だと,お互いに忘れていたことを補い合ったり,辻褄の合わないことがあったり。
けど,写真に撮っていない光景を二人とも思い出せないってのが印象的でした。
思い出せないっていうのは,なんだかその時間がなくなっちゃったみたいで
損した気分になります。
・・・え,そんな話じゃない?
by 碧 (2007-01-08 01:23)
>きむたこさん
nice! ありがとうございます~♪
by ひろころ (2007-01-08 21:34)
>碧さん
同じ風景を見ていても、覚えていることは人それぞれ違ったりしますよね。
補い合って一つの過去が浮かび上がることは、しょっちゅうです。
しかも、写真とかあると比較的簡単に思い出せるのですが、
記録に残していないと本当に忘れてしまうことって良くありますねー。。。
私も、思い出せないことって無かったのと同じことのような気分になります。
潜在的な意識としては違うんでしょうけど、
覚えてなければ経験してないのも同然な訳で。
なんか勿体ない気がするのに、それでも忘れちゃってる自分が悲しい…。
by ひろころ (2007-01-08 21:43)